「血便が出た」という主訴で受診される患者様は非常に多いですが、特に20代の若い方からのお問い合わせが増えています。血便と聞くと、つい大腸がんなどの重篤な病気を想像して不安になるかもしれませんが、20代の方の血便のほとんどは、比較的軽症の病気が原因であることが多いです。ここでは、20代の方の血便の特徴と、主な原因となる疾患について解説します。20代の血便の主な特徴20代の方に多く見られる血便は、その色や出方から、原因をある程度推測できます。特徴疑われる主な原因解説鮮やかな赤色痔(いぼ痔・切れ痔)が最も多い肛門からの出血が新鮮なまま排出されるため、トイレットペーパーに付着したり、排便後にポタポタと落ちたりします。排便時のみの出血痔、直腸炎排便時の刺激やいきみで出血し、排便が終わると出血も治まるケースが多いです。下痢・腹痛を伴う感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病炎症によって腸の粘膜が傷つき、便に血液や粘液が混じる(粘血便)ことがあります。経過は長く週~月単位の症状継続が一般的です。便全体に血液が混じる大腸炎、大腸ポリープなど肛門よりも奥、S状結腸や直腸などの病変から出血している可能性があります。 1. 20代の血便で最も多い原因:肛門の病気(痔)20代の血便の主訴で消化器内科を受診された場合、最も多い原因は痔です。特に「いぼ痔(内痔核)」や「切れ痔(裂肛)」がほとんどを占めます。原因疾患痛みの有無と特徴血便の特徴切れ痔(裂肛)強い痛みを伴うトイレットペーパーに少量の鮮血が付着する。硬い便を排出した際などに起こりやすい。いぼ痔(内痔核)通常は痛みを伴わない排便後にポタポタと滴り落ちるような出血が見られることがある。鮮血であることが多い。知っておこう痔による出血は鮮血で量が少なく、排便時のみに起こることが多く、命に関わる病気ではありません。ただし、自己判断せずに一度は診察を受けることをお勧めします。2. 20代で注意すべき原因:炎症性腸疾患(IBD)20代は、潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の新規発症が多い年代です。これらは自己免疫の異常が関わる慢性的な病気で、痔の出血とは異なる特徴があります。潰瘍性大腸炎特徴: 粘血便(血液と粘液が混じった便)、頻繁な下痢、腹痛、発熱、体重減少を伴います。血便: 血液が便に混じり込んでいる(痔のように排便後に落ちるタイプではない)ことが多いです。クローン病特徴: 腹痛、慢性的な下痢、発熱、体重減少が主で、血便は潰瘍性大腸炎ほど多くはありませんが、肛門周囲に痔瘻(じろう)や膿瘍(のうよう)などの病変を形成しやすい特徴があります。3. 急な発症に注意:感染性腸炎旅行やバーベキュー後、または周囲に体調不良者がいる場合に、突然発症することが多い病気です。細菌が原因となる場合、食事が原因となる食中毒の扱いになる場合がありますので、同じ食事を摂取した人にも同様の症状がないか確認が必要です。特徴: 急激な腹痛、下痢、発熱とともに、血便(粘血便)を伴うことがあります。原因菌: カンピロバクター、サルモネラ菌、病原性大腸菌などの細菌や、アメーバ赤痢などの原虫が原因となることがあります。4. その他の原因疾患大腸ポリープ: ほとんどは良性ですが、出血の原因になることがあります。憩室出血: 大腸の壁にできた小さなポケット(憩室)からの出血で、比較的突然、多量の出血を起こすことがあります。ただし憩室は40歳以降に目立つことが多く、憩室出血の好発年齢も同様です。大腸がん: 20代での発症は稀ですが、症状だけでは他の病気と区別がつきません。特に記念若年性大腸がんは大腸領域のホットトピックです。決して無視できない疾患です。 受診の目安:こんな症状はすぐに消化器内科へ20代の血便のほとんどは心配のないものですが、以下のような症状を伴う場合は、早めに消化器内科を受診し、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で原因を特定することが大切です。粘血便(血と粘液が混じったドロドロの便)が続く場合下痢や腹痛を繰り返し、症状が慢性的に続いている場合体重減少や発熱、貧血など、全身の症状を伴う場合出血の量が大量で、トイレットペーパーに付着する程度ではない場合血便が出たり止まったりを繰り返す場合症状が週~月単位で継続する場合広島八丁堀内科・胃腸内視鏡クリニックでは、若い方にも安心して検査を受けていただけるよう、苦痛の少ない内視鏡検査を実施しています。気になる症状があれば、放置せずにご相談ください。